感情レヴュー

中沢忠之、『文学+』を刊行する「凡庸の会」同人

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

すべてがライトになる――芥川賞と星野智幸と佐川光晴

最近の芥川賞の選評はおよそゆるしがたいものがある(おっと大きく出たぞ!)。その主要な理由は、各人の選評の前提となる部分に、「そもそも私たちの純文学とはどのようなもの(たるべき)か?」という問いがいっさい感じられないからだ。 日本で最も注目さ…

「格差社会」は存在しない?

最近の文学賞に見られる選評のだらしなさに対して今度という今度は何か言おうと思い、芥川賞の選評を読むべく「文藝春秋」(07年3月号)を手に取ったら、綿矢りさが二人の成人男性(石原慎太郎と村上龍)に確保された異星人のごとく扱われている鼎談(じつは…

非アイロニー的なアイロニーのために

ドゥルーズ曰く、 「『不思議の国のアリス』でも『鏡の国のアリス』でも、極めて特殊な事物のカテゴリーが眼目になっている。すなわち、出来事、純粋な出来事である。私が「アリスが拡大する」と言うとき、私が言いたいことは、アリスがかつてそうであったの…

ネタ追求至上主義

前記(1月20日)日記のときはまだ知らなかったのだけれど、「あるある大事典」が前記納豆の放送分で虚偽の情報操作をしていたとのこと、皆様すでに報道などでご存知かと。前記日記のタイトルに「情報操作」とまで書いたのはさすがに行き過ぎかなとも思ったの…