今回『乳と卵』で芥川賞を受賞した川上未映子の文章には、叙述のあいまあいまに、「あいだ」や「狭間」や「隙間」といった言葉が間隙を縫うようにしばしば現れてきて、そこに立ち止まって注入される言葉の数々は渦を巻きながら叙述を滞留させつつ、途切れる…
承前*1 われらがJホラーは、清水崇「呪怨」(1999)において新たな段階に入ることになった*2。Jホラー特有の、あの、環境に溶け込んだような曖昧な存在。一瞬見えたかと思うと、たちまちかき消え、目を見開いていないと逃してしまう何ものか。この蜃気楼のよ…
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