感情レヴュー

中沢忠之、『文学+』を刊行する「凡庸の会」同人

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2人称の活用法

批評をやっていると―私は文学クレーマーだが―、作品評価というものについて考えることがある。文芸批評は、根拠のない誹謗中傷や、たとえ根拠があっても行き過ぎた罵倒を行いがちであり、それが文化的営為として(?)なんとなく放免されてきた―作家にとって…

第33回三島由紀夫賞雑感

誤解を恐れずに言えば、文学が哲学などの営為と決定的に異なるのは、読者がいることである。いくら手法を研ぎ澄ませ、思弁的になっても、読者が付いてこなければ意味がない。読者層をどのレベルに想定するのかはその次の話だ。 平成文学は、女性・非男性作家…